まじめなはなし。

 近頃転職を考えたこともあり、自分のことについてまた考えることが多くなった。ちなみに転職系からは連絡が思いっきり減った(気がする)。やっぱ景気は急激に悪くなりましたかね。いや普通の経済の方はそりゃ悪いのはわかってるんですがうちの業界にそれがどこまで影響するのかっていう…。ちょっとこのままだと足を抜けない状況に陥りそうで怖いです。

 で、ちょっとまた前進。大きな前進ではないかもしれないけどこういうのを積み重ねながらゴールの近似値を目指していくというのがきっと人生なんだろうな、と知ったような口をきいてみます。

  きっかけは金曜の昼食。新入りのダンディ(葉巻好きの40代)に呼び出され、駅の裏側でこそこそメシ食ってたんです。お呼び出しの用件は「なんか新しいビジネスやろうぜ」ってこと。いや副業って意味じゃなくうちの会社としての強みをもっと出すためにエッジがきいたことをやろうと。僕が暇暇言ってるからひきずりこもうってことみたいです。で「なんかやりたい業界は?」って聞かれて僕の口から自然に出てきたのが「業界団体」という言葉。

 自分で喋ってからやっぱなーとか思ったんですが、僕は普通のいわゆる新製品発表会みたいなのを仕切るのが嫌いです(派手に騒げるって意味では楽しいけど)。

 例えば新しい製品がでたとして、それがあることを知らせるのが僕らの仕事なわけです。手段は色々。広告、広報、イベント、諸々。前も書いたかもしれないけど広報ってのはその中で一番倫理的に危うい仕事。なぜって記事という中立であるという前提のものを動かす仕事だから。で、そんな汚い仕事が赦される条件というのはひとつしかないと僕は思ってる。それは公益にかなう事。だから、例えばデザインが新しくなっただけの製品の発表に広報という武器を使うことは僕には受け入れられない。
 世の中にはもっと知られるべきことがたくさんあって、そして知られなくてもいいのに今紙面を貰ってるネタもたくさんある。だからそんなカス情報を蹴りだしてもっと日があたるべきものにあてなければならない。僕たちは(危ない)権力を持っているのだからその力は正しきことに、例え僕たちの正義が本当の意味で正しくなかったとしても、最低でも自分の思う正しさには忠実でありたいと思う。その中で正義同士がぶつかることはあると思うし、その争いに勝って紙面を獲得するためにあらゆる手を使うということにもなるだろう。

 なんかくさい話みたいだけど、でもホント。何か社会的な問題を解決することで企業が営利を得ることは全く健全で、だから僕が言ってるのは「金を儲けるためにメディアコンテンツを『汚染』することは間違ってる」ってことでは全くない。日々「汚染」の尖兵として過ごしている僕にはメディアは高潔なものに映らない(というか自分の力で掲載がある、ってのはある種虚しいことですらある)。
 社会的な問題、というのは貧困や暴力や差別だけに限らない。アスベストだってそうかもしれないし、流行るかもしれない病気のことかもしれない。SEXする時は愛だけじゃなくコンドームもね、って話かもしれないし、食料自給率のことでもいい。社会問題なんて考えなくてもうんざりするほどあるわけで、それにすら関係ないことを他の人に伝えるなんてあまりに馬鹿らしくてやってられない。そのクライアントが業界一位を取ったら何が変わるのか、それが何もないならこの仕事には何も正義がない。

そんなことを考えた。

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