体調不良です。なんか咳が止まらず、結局金曜はお休み。って行っても半日は仕事してたけど…。

 一週間経ってしまいました。思えば、この地震も46分に起きたんですよね(阪神は5時、東北は14時)。そして、「震災」という言葉は今後阪神を指さなくなるんだろうな、なんてぼんやり思っていました。

 さて、ちょっと書いたように震災翌日からチャリティのプランをねってたんですが、社内会議にかけたらかなりの反対にあいました。いや事が事だから「反対」とは言わないんだけど、「いまじゃないよね」「支援はずっと必要なんだからもう少し後でも」みたいな。いやカネはいつ集めてもカネだし腐らないし、集める効率がいいのは先行者利益がある今なんだよパブリシティにもなるしそれに3ヶ月経ったら世間は残酷だから忘れちゃう、ってことなんだけどなかなか理解されなくて。リビア情勢がどんだけ日本の地震で吹っ飛んだか知らないのかな…。
 そう、アテンションは常に奪い合いで、それがアテンション・エコノミーなんて言葉になってさえいる(http://ow.ly/4hRBz )。常に悲惨で、世界にインパクトがある情報をハイエナたるメディアは探しているし、今回英文メディアは随分いい仕事をしていると思う(勿論皮肉です)。だから特に安全圏にいる人たちには耳目がこちらに向いている今の内に訴えかけて、行動か、少なくとも行動するという約束をさせなきゃいけない。世界のどこかでもっと悲惨なことが起こるその前に。
 そんな事を考えています。つい忘れていたけど、社内の人たちはお金に関する嗅覚が皆無で、そういう意味ではとても「普通の人たち」なのよね。虚しさも感じるけど、これは皮肉じゃなくてそれを期待するほうが間違っているのかなと思います。…とかなんとか、まぁ今回は自分もヒートアップしている自覚もあるので矛を収めてしまったわけですが。

 さて、で表題の件。これから我々エンタメ業界は多分、何らかの形でチャリティを絡ませた提案がすべて、とは言わないまでも結構な確率で求められるでしょうきっと。上に書いたような「忘れられる速度」にもよるんでしょうけど。しかし、国内向けにこんな明確なターゲットがあった試しはおそらくなく、そういう意味で今までの「Cause Marketing」とは少し力点が変わるのかな、と思っています。本当は社内向け・営業資料にまとめるものだけど、どうせ今時点ではドラフトだし、ちょろっと自分のメモ代わりに吐き出してみようかなと思います。ちなみに特に文献などをあたってないので基礎的なところで理解が間違ってる可能性もあり…。


■ まずそもそもCause Marketing(CMと略すよ面倒だから)とは?
http://ow.ly/4hRAV
ま、上記Wikipediaに書いてあるように一言で言えば 「特定の商品を購入することが環境保護などの社会貢献に結びつくと訴える販促キャンペーン」というもの。多分一番有名なのはボルヴィックの1L for 10L(http://www.volvic.co.jp/csr/1lfor10l/index.html)でしょう。


■ 効果的にCMを行う上での考慮すべき要素と優先順位

1) どのような仕掛けにするか
2) どこ(どのような問題・団体)に寄付をするか
3) 幾ら供出するか

※純粋に寄付をするならば2と3の方が圧倒的に1よりも重要なはず(というより1はほぼ存在しない)のがミソ
 CMはあくまで商品のメッセージや世界観を具体化・差別化するためのツールであるので出発点では慈善ではありません、という点に自覚的であるべき。また、Wikipediaに掲載されている例を見ればわかるようにキャンペーンは特定商品の売り上げに対して数%などという成果連動型である場合が多く、最終的に幾ら集まるか(つまりは本来の意味での成果にあたる、一番重要なはずの部分)の責任は消費者に押し付けられた形になっている(=「お前らが買わんと金が集まらんよ」)のも無責任っちゃ無責任。まぁ売り上げ上げるためのインセンティブなんだから考えりゃ当然なんだけど。
 要するに社会問題の提起であるアドボカシーとかとはぜんぜん違いますよ、と。ただしこれが慈善の顔をしたマーケティングであるが故に通常の慈善よりは効果を説明しやすいし、ストーリーがきれいならば予算もつきやすい(そして結果的に慈善行為にもなる)のは事実で、べつに善し悪しの問題ではないんだと思います。


■今回想定される変化
 今回は2)がとても難しい&重要になるかなと思います。もしかしたら1と2がひっくりかえるかも…というか正確には(とても難しいけど)2を決められれば1が助けなくても説得力があるものが作れる気がして。「震災一般に対するチャリティ」は今後腐るほど出てくる可能性があるからこそ、それとの差別化をどう図っていくかが課題。
 今の段階で今回の震災に対する支援受け入れ完了なのは赤十字やチャリティプラットフォーム、CivicForceそれに国境なき医師団とかあたりだと思うけど、これらは寄付先としてはあまりに「一般的」すぎてストーリーが描きづらい。いや上の繰り返しになるかもだけど「それが必要な支援か」とかって視点はこの話にはないですからね。僕も個人として寄付するなら上記のどれかにするけど、そういう話じゃない。

 だから本当は「被災地の子供に音楽を届けます」みたいな立て付けにするのが多分一番いいけど、それを担える団体が日本にあるのか?というと相当疑問で。かといって受け皿にNPO使わずに自分たちでやっちゃったら課税されちゃうわけで、そこら辺が難しいのかなと。知ってる範囲で一番やれるネットワークを持ってる可能性があるのは地域創造(http://www.jafra.or.jp/)なのかなと思うけどここも財団法人だし…だめだよね?そもそも財団法人に対する寄付の課税ってどうなってるか知らないし、用途を限定して寄付って出来るのかな?出来るなら結構話ができる気もする。中の人に確認してみよう。まぁ組織としては頭固そうだけど。 あと、さすが日本企業というか義捐金自体は国内からも今相当集まっています。なので金額インパクトも取りづらく、普通にやったら100%埋もれる気がする。その辺もどうすりゃいいかなー。

 ま、そんなことを考えています(途中まで論理的っぽくかいたけどねむくなったので放棄)。

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