アメリカ横断ウルトラなんとか!(DAY 1)
2009年7月15日 非日常
さて、これはAmtrackラウンジで書いています。シカゴです。今日から移動日、ということで朝まず早く起きて荷造りして飛行機に乗って、電車に乗って、今その長距離便が出発する駅にいます。
色々書く前に、いくつか他で書いていない(かもしれない)ことを。
まずJFK空港からマンハッタン市街までのルート。タクシーかシャトルが鉄板みたいな書かれ方をすくなくとも僕が持っていった本ではされていました。嘘です。電車が鉄板。その本には電車は3行くらいしか書かれていなくてまるで詳しい人だけどうぞ、って雰囲気だったけど、別にわかりにくい乗換えがあるわけでもなし、よっぽど荷物が重い(NYの地下鉄駅には地上に出るエレベータとかないようだからねぇ)とか、人数が多くて、って以外は普通に電車でいい気がしてならない。ちょっと時間がかかるけどタクシー45分が電車だと一時間ちょいとかその程度だし。で、料金8倍くらい違うしさ(タクシーは基本料金プラスチップだのなんだので結局$60くらいみたいで、一方地下鉄なら$7.25)。
地下鉄を使う上で注意すべき点が。いろんなところ(含ガイドブック)にはJamaica StationからAir Trainが、と書いてあるけどなんか駅の名前が変わったのか、今はE線終点(Jamica Center)一個手前のSutphin Blvdから乗り換えになっています(ネットで調べてもいろんな記述があってよくわからない)。これは少なくとも新しい車両なら車内に表示が出ているし、音声でも割合はっきりした案内があるんでわかりやすいとは思うんだけど、ガイドブックやらウェブサイトやらを鵜呑みにしてると悲劇が起こる…かもね。今手元に路線図がないんだけど、なんか確かJamaica Stationって駅名は別の路線にあったような気がして、そっち行ったらアウトだし…。なんか延伸の予定があるようなことを書いているところもあったのでその関係かもしれないけど、まぁなんにしろややっこしいことで。でも、やっぱ電車でしょ。すくなくとも今度来るときは電車でいきます。
Amtrackについても結構書いてないことが多い気がするんで、つらつらと。そもそもAmtrackについては日本語での情報源が限られていて、たぶん検索してたどり着くのは4,5箇所ある旅行記とかしかないのね(自分の検索方法もあるのかもしれないけど)。でそこら辺に書いてないのは重要じゃないと思ったからなのかそれが書かれたころはそういうシステムがなかったのかどっちだかわからないけど、とにかく書いておきます。あ、ちなみに僕が乗ったのはSouthwest Chiefというルート66と似たようなルートだそうです(http://www.amtraktowns.com/route/southwestchief/)。今知った。よく横断記で検索して出てくるのはCalifornia Zephyrrっていう…こっちは結構景色がいいらしいけど。
まずはじめに、Union StationにはCTA(かな?空港からの地下鉄)は直接乗り入れていません。なので一番近いClintonで乗り換えることになる。空港から出てる地下鉄に乗って一本で1時間弱だけど、こちらは音声でも案内ないし、「乗り換えできます」みたいな表示もないので知らないと乗り換えられません。駅自体はとてもそういうところと接続あるような感じじゃなく小さな普通以下の規模だし。僕も時間に余裕があったからだめでも別にいいや、と思って降りたけどもしぎりぎりだったら相当わずらわしく感じたでしょう。こちらの人は電車で入らず車で落としてもらうんだろうなぁとか思ったけど、どうでしょ。でも一応Clintonの改札を降りて左の地上に上がる辺りにUnionこっち、って表示はあって、まっすぐ2ブロック行って右かな。曲がるところに特に案内はなかった気がするのでカンで勝負しましょう。あとはその辺の人に聞くか?流れでいくったって僕のときはClintonで降りた人自体いなかったしなぁ…。建物をみているとわかるような気もするので、問題ないでしょ多分。で古いUnion Sq駅は現在使われておらず、向かい側の近代的なビルが駅になってます。二階にフードコートがあり、普通のこぎれいなフードコートと違ってなんか結構意外にローカルっぽい食い物屋が入っていたりします(ピザハットとかも入ってるけどさ)。一部現金のみの店もあり。このコートのどこかの直下が下に書くラウンジらしく、食いながらwifi電波盗めます(Amt Chi_Metroとかそういうわかりやすい名前)。
はい次。これも基本的な話、荷物は飛行機と一緒でカウンターで預け入れられます。逆に言うと、われわれ長距離移動者は数日分着替えるなりなんなりは全部手荷物で持ち込む必要あり。がんばって詰め込まないといけません。ただ個室とはいえ鍵はかからないし個室はベッド作っちゃうと荷物置く場所がかなり限られてるので、大きめの手荷物を作って1階の共用荷物置き場において、貴重品に関しては食事時なんかも持ち運べるように別の小さめのバッグを用意するのがいいのかも(むしろよっぽどでかい荷物じゃなければチェックイン不要かも)。僕のザック(って行っても日用のね)はパンパンで、結構邪魔ざんした。
あと寝台予約してるとUnionで専用ラウンジを使えます(写真参照で)。おお飛行機の1st Class roungeみたいなやつか、と思いつつ、特に感動するような仕打ちはうけません。飲み物もらえるとかPC使えるとかwifi使えるとかそれくらい。時間がくるとラウンジのスタッフがなぜかEmergency Exitからホームにつれてってくれます。NYでもそうだったけど、この国の人はEmergency Onlyとか書いてあるの無視しすぎじゃね?すっごい警告ブザーとか鳴ってても気にしないもんね。昨日なんて地下鉄でホームレス?が無人駅のホームにいるおっちゃんに「あけてよ」って頼んだらおっちゃんあけちゃったからね(日本と違いチケットは乗るときだけにしか使わないのでなんとか乗り込んじゃえば乗り放題なわけ)。
そうそ、チェックインで身軽になって時間がちびっとだけあったのでシカゴ市内を観光…ってほどじゃないけど散歩してみましたよ(そういう意味では預けると便利、ただし実はラウンジでも荷物預かってくれたりするのでそれを使えばいい気も)。家にあったガイドブックもってくりゃよかったわ(母がおととしだか行ったので)。Unionからちょっと街を見たらちょうどビルが不自然に切れてる部分が見えて、もしや…と思ってそこまで歩いてみたら海でした。嘘。シカゴは多分五大湖のどれかに面していて、その縁なんでしょうな。でかい噴水がある公園があり、ヨットハーバーになってましたよ。そこをちょっと散歩して、終わり。あと驚いたのがなんか大学が固まって一箇所に3つくらいあるのね。外から見てもよくわからんけどどうやら。アメリカの大学って死ぬほど広い国立公園にビル点在、みたいなイメージだったんで、ちょっと意外(NYにもど真ん中にNYUがあるわけだけど)。あと昨日もちょっと出てきたゲーム、Mafiaってそういえばこの辺が街のモデルなのかもね。モノレールみたいなのが街の上をぐるぐるしてるのを見てデジャヴュってたらそうだそうだアレだ、って。Mafiaはウィーンの美術館でもデジャヴってたことがあり、(http://42583.diarynote.jp/200509300057060000/)、なんか多いなって。
はいここから車内。まず、結構ゆれます。書き物にも読み物にも線路の具合によってはちょっとつらい。ワープロならそこまで問題ないけどペンはね。部屋は寒いのは寒いけど、一応部屋ごとに調整できるようになってるので、まぁどうにかなるかも。でも防寒着はあったほうがいいかな。車内設備については食堂車の場所しか教えてもらえないし特に説明資料とかもないので、自力で探します。昼寝してる間に最大かもしれない見所、ミシシッピ川こえてましたよ。
今は松本光弘「グローバル・ジハード」を読んでます。アルカイダをはじめとするいわゆるジハード主義者の心理と行動を分析した本。著者は現役の公安課長で、出た当初はどこかで「こんなこと書いていいのかよ」みたいな評をされてた記憶があるんだけど3章立てのうち2章まで読んだところの感想としては、よく整理されていてとてもわかりやすい上に内容も深く相当の良書だなという感じ。何がいけないのかはまだよくわかりませんよ。第3部がそれらとどう戦っていくか、みたいな話になってくるみたいだからその辺で日本の防諜体制を知られてしまうのでは?とかそういうことなのかもしれないけど。
まぁまぁとにかく、ガクジュツ的なとっつきにくさがない上にちゃんと理屈が通っていて、時々ちゃんとアカデミックなものも吸収して書いてるんだなという部分もあって、これを書いたのが現場の人だってのにひたすら驚きですわ。70年代共産主義者との類似点とか、中心を持たず個々が自立して活動するがゆえに捉えにくい(そして一旦発生してしまったら創始者でもとめることができない)組織とか、もう既に言われてることかもしれないけど、とても面白い。あとネット上では発言者が匿名で本来なら持ってる権威を行使できないから、逆に聖典に書いてある言葉だけが権威を持つようになるとか。参加者全員が知っていて権威を認めるのが聖典だけになっちゃうのね。でそんな風潮とネットのそもそもの特質としてシンプルなメッセージングが好まれるというのとが合わさると原理主義的(原典以外認めない)な方向に向かってしまうみたいな…。
その辺なんてすごい面白いんだけどちょっと気になるのは、じゃあキリスト教ってどうなのってところ。いやキリスト教ってかプロテスタント。基本的にプロテスタントは聖書と人との間に権威の介在を認めないでしょ(カトリックだって自分たちのことを「権威」とはいわないと思うけど)。牧師は聖書理解のための教師であって、(一応)導くものではないはず。だから亜流は基本的にプロテスタントから生まれる…というかカトリックの立場からすればプロテスタントってのが亜流の名前でその中がいくつに別れようが知ったことじゃないんだろうけど、それはいいとしてもつまり、識字率の上昇による原典との直接接触者の増大(=既存の伝統的な解釈の否定につながる)という状況はキリスト教も既に経験していて(カトリックは昔教会以外で私的に聖書を読むのを禁じたって話をきいたことが)、教義的にも結構似てるならば同じような状況があったのかなぁ、ということとそこからイスラムがこれから経験することが推測できないのかな、と思うわけ。
独自の(しばしば過激な)解釈を持つ小集団がいくつも出現して既存の権威に挑戦していく、という図式自体は同じなのでは…。ただ今のイスラムの過激派は不思議なことにあまり自宗教の指導者層の腐敗浄化には関心がないように思えるし(悪の大きさの差の問題かもしれない。自国の悪の原因を遠くのアメリカに背負わせるほうがずっと楽だし)、通常なら孤立するはずの小集団同士がネットを通じて邂逅したりもするしディスカッションを通じて思想自体の交換や共有も行われて容易に地理を超えて横の連帯が広がっているというような違いはあるけれど。
あところで全然本筋とは関係ないけど、カトリックってなんとなく賛美歌を合唱、ってイメージがあって、逆にプロテスタントの音楽って考えると一人でリュートを弾くルターって感じなんだけどこれってやっぱり思想の違いがでてるのかな?
読み終わって、もうひとつだけ。松本氏の結論としては緩やかな連帯としてのテロ組織をたたくためにはネットワークのハブになっている人物を複数同時に叩くのがよい、ということになっているんだけどこれって日本の法制度上可能なのかな(追記:現行法上は不可能って書いてるのはわかってるんだけど、未来において可能になるような解釈の余地があるのか?って書きたかったのね僕)?彼自身が前の部で言及しているようにハブになるような人は「その辺りで有名だけど決して自分で過激な行動にはでない」人種で、つまり具体的な犯罪行為は犯していないことが多いんだと思う。ならば必殺転び公防みたいな裏技はあるとしても、予防検束は不可能なのでは?という疑問が。当然暗殺は不可だろうし。予防検束もそうだし、もしさらうなり殺すなりすることができればその界隈には相当なメッセージにはなるだろうし、効果的であるってのはわかるんだけど…ううむ。
それよりは「長期的な施策であるのでフォーカスしない」と断った上で書いているテロリストの失敗の宣伝とか、そういう方が確実な気がして。いま存在する横の組織?はしっかりした命令系統に基づいていないならば、当然テロの「品質管理」もされていないだろうことが予想されるので、やってる内に自分たちの掲げる思想に合致しない結果を生むこともあるはず。その失敗につけこむことで彼らの唯一の絆である思想を汚す、というのがいい気がするけどなぁ…確かに今既に存在するテロリストへの対処としては迂遠に過ぎるのかもしれないけれど。
…ああ旅行記なのに本の感想文になっちゃった。今五時半くらい。一時間くらい前に起きちゃって、、これを書いたりぼおっとしたりしています。入国してからこれだけ経ってるのに結局時差ぼけ、なおってませんね。これならいっそ帰りまでなおらないでほしいもんだけど、どうでしょ。
NYは、結局一番楽しかったのは管理人さん(つーとイメージ違うけどねぇ。ちびっこだし、相当若く見えます)との夜でした。二日それぞれにね。3年以上日本に帰ってないってことで登戸再開発完了の話(この人元先生…ってのは書いたっけ?で教え子が僕と同じ高校に進学してたり、どうやら結構生活圏は近かった様子)やらそんな日本の話もしたし、彼女がこの先なにをしたいか、みたいな話を聞いてたら意外に共通点があったり、やっぱり俺野村萬斎に似てるらしいとか(顔より声とか振る舞いらしい…いつもは顔って言われるんだけど)。彼女は僕とはまったく違う世界を生きている人だし、そもそもその年で(つーと失礼だけどさ)単身片道切符買ってNYに移住しちゃうなんてすごいじゃない。普通からすれば夢を追ってなんてもう少し現実みなさい!ってことなのかもしれないけど、別にそんなのどうでもいいよね。
なんかさ、一日めなんて夜これといってすることも決まってなかったから下の中華料理屋でチャーハン買ってきて共有スペースで食べてたわけ。で管理人さんは近くのコインランドリーで洗濯したシーツとかをその部屋で「これで時給9ドルは安いわ!」とかぶつくさ言いながらたたんでて、なんとはなしにだらだら話をしててさ。NYにいるのにすごいなんだろう生活感??違うかなぁ…違和感と溶け合った感じが変なバランスでさ。あー日本語難しいわ。日本語っていうより言葉がむずかしい。とにかく、すごい素敵な感覚で。あー楽しかった、って。変な人だけどね。人の話聞かないし。
そうそうもうひとつ。管理人さんと話していて自分の中でまとまったのが次の職の位置づけ。あまり自覚はなかったけど、やっぱアートに行きたいんだわ俺。でも強烈な不満として芸術界のビジネス感覚の不在ってのがあって、それを学んでから行きたいと思ってる。演奏家として生きていけない以上、彼らから搾取することなく、でも出来る限りビジネスとして金を儲けたい。広報は学んだから、次はちゃんとしたマネタイズ。そして、その先にそれらを生かしてアートに行く、ってのがきっと道なんだと思う。わかんないけど。移り変わるかもしれないし。でも、なんかそこに光を見た気がするんです…なぁんてね。いやいや存外まじめだったりするんですけどね。
なんかさ、NY美人と話していてまったく逆の側面からかんじたことなんだけど、僕が想う思想の成就はあくまで自己の内面の問題で、だれかとの関係には拠らないのよね多分。競争の勝利から得られるものじゃない。僕は自己の存在確認を他者との差別化にはおいてない。だからある意味でほかの人(全員とはいわないけどかなりの割合の)とスタート地点も違えば目指す方向も違う。違って当然。なんかそれがクリアになったってのがこの旅で得たものの一部なのかもしれません。なんつー。
色々書く前に、いくつか他で書いていない(かもしれない)ことを。
まずJFK空港からマンハッタン市街までのルート。タクシーかシャトルが鉄板みたいな書かれ方をすくなくとも僕が持っていった本ではされていました。嘘です。電車が鉄板。その本には電車は3行くらいしか書かれていなくてまるで詳しい人だけどうぞ、って雰囲気だったけど、別にわかりにくい乗換えがあるわけでもなし、よっぽど荷物が重い(NYの地下鉄駅には地上に出るエレベータとかないようだからねぇ)とか、人数が多くて、って以外は普通に電車でいい気がしてならない。ちょっと時間がかかるけどタクシー45分が電車だと一時間ちょいとかその程度だし。で、料金8倍くらい違うしさ(タクシーは基本料金プラスチップだのなんだので結局$60くらいみたいで、一方地下鉄なら$7.25)。
地下鉄を使う上で注意すべき点が。いろんなところ(含ガイドブック)にはJamaica StationからAir Trainが、と書いてあるけどなんか駅の名前が変わったのか、今はE線終点(Jamica Center)一個手前のSutphin Blvdから乗り換えになっています(ネットで調べてもいろんな記述があってよくわからない)。これは少なくとも新しい車両なら車内に表示が出ているし、音声でも割合はっきりした案内があるんでわかりやすいとは思うんだけど、ガイドブックやらウェブサイトやらを鵜呑みにしてると悲劇が起こる…かもね。今手元に路線図がないんだけど、なんか確かJamaica Stationって駅名は別の路線にあったような気がして、そっち行ったらアウトだし…。なんか延伸の予定があるようなことを書いているところもあったのでその関係かもしれないけど、まぁなんにしろややっこしいことで。でも、やっぱ電車でしょ。すくなくとも今度来るときは電車でいきます。
Amtrackについても結構書いてないことが多い気がするんで、つらつらと。そもそもAmtrackについては日本語での情報源が限られていて、たぶん検索してたどり着くのは4,5箇所ある旅行記とかしかないのね(自分の検索方法もあるのかもしれないけど)。でそこら辺に書いてないのは重要じゃないと思ったからなのかそれが書かれたころはそういうシステムがなかったのかどっちだかわからないけど、とにかく書いておきます。あ、ちなみに僕が乗ったのはSouthwest Chiefというルート66と似たようなルートだそうです(http://www.amtraktowns.com/route/southwestchief/)。今知った。よく横断記で検索して出てくるのはCalifornia Zephyrrっていう…こっちは結構景色がいいらしいけど。
まずはじめに、Union StationにはCTA(かな?空港からの地下鉄)は直接乗り入れていません。なので一番近いClintonで乗り換えることになる。空港から出てる地下鉄に乗って一本で1時間弱だけど、こちらは音声でも案内ないし、「乗り換えできます」みたいな表示もないので知らないと乗り換えられません。駅自体はとてもそういうところと接続あるような感じじゃなく小さな普通以下の規模だし。僕も時間に余裕があったからだめでも別にいいや、と思って降りたけどもしぎりぎりだったら相当わずらわしく感じたでしょう。こちらの人は電車で入らず車で落としてもらうんだろうなぁとか思ったけど、どうでしょ。でも一応Clintonの改札を降りて左の地上に上がる辺りにUnionこっち、って表示はあって、まっすぐ2ブロック行って右かな。曲がるところに特に案内はなかった気がするのでカンで勝負しましょう。あとはその辺の人に聞くか?流れでいくったって僕のときはClintonで降りた人自体いなかったしなぁ…。建物をみているとわかるような気もするので、問題ないでしょ多分。で古いUnion Sq駅は現在使われておらず、向かい側の近代的なビルが駅になってます。二階にフードコートがあり、普通のこぎれいなフードコートと違ってなんか結構意外にローカルっぽい食い物屋が入っていたりします(ピザハットとかも入ってるけどさ)。一部現金のみの店もあり。このコートのどこかの直下が下に書くラウンジらしく、食いながらwifi電波盗めます(Amt Chi_Metroとかそういうわかりやすい名前)。
はい次。これも基本的な話、荷物は飛行機と一緒でカウンターで預け入れられます。逆に言うと、われわれ長距離移動者は数日分着替えるなりなんなりは全部手荷物で持ち込む必要あり。がんばって詰め込まないといけません。ただ個室とはいえ鍵はかからないし個室はベッド作っちゃうと荷物置く場所がかなり限られてるので、大きめの手荷物を作って1階の共用荷物置き場において、貴重品に関しては食事時なんかも持ち運べるように別の小さめのバッグを用意するのがいいのかも(むしろよっぽどでかい荷物じゃなければチェックイン不要かも)。僕のザック(って行っても日用のね)はパンパンで、結構邪魔ざんした。
あと寝台予約してるとUnionで専用ラウンジを使えます(写真参照で)。おお飛行機の1st Class roungeみたいなやつか、と思いつつ、特に感動するような仕打ちはうけません。飲み物もらえるとかPC使えるとかwifi使えるとかそれくらい。時間がくるとラウンジのスタッフがなぜかEmergency Exitからホームにつれてってくれます。NYでもそうだったけど、この国の人はEmergency Onlyとか書いてあるの無視しすぎじゃね?すっごい警告ブザーとか鳴ってても気にしないもんね。昨日なんて地下鉄でホームレス?が無人駅のホームにいるおっちゃんに「あけてよ」って頼んだらおっちゃんあけちゃったからね(日本と違いチケットは乗るときだけにしか使わないのでなんとか乗り込んじゃえば乗り放題なわけ)。
そうそ、チェックインで身軽になって時間がちびっとだけあったのでシカゴ市内を観光…ってほどじゃないけど散歩してみましたよ(そういう意味では預けると便利、ただし実はラウンジでも荷物預かってくれたりするのでそれを使えばいい気も)。家にあったガイドブックもってくりゃよかったわ(母がおととしだか行ったので)。Unionからちょっと街を見たらちょうどビルが不自然に切れてる部分が見えて、もしや…と思ってそこまで歩いてみたら海でした。嘘。シカゴは多分五大湖のどれかに面していて、その縁なんでしょうな。でかい噴水がある公園があり、ヨットハーバーになってましたよ。そこをちょっと散歩して、終わり。あと驚いたのがなんか大学が固まって一箇所に3つくらいあるのね。外から見てもよくわからんけどどうやら。アメリカの大学って死ぬほど広い国立公園にビル点在、みたいなイメージだったんで、ちょっと意外(NYにもど真ん中にNYUがあるわけだけど)。あと昨日もちょっと出てきたゲーム、Mafiaってそういえばこの辺が街のモデルなのかもね。モノレールみたいなのが街の上をぐるぐるしてるのを見てデジャヴュってたらそうだそうだアレだ、って。Mafiaはウィーンの美術館でもデジャヴってたことがあり、(http://42583.diarynote.jp/200509300057060000/)、なんか多いなって。
はいここから車内。まず、結構ゆれます。書き物にも読み物にも線路の具合によってはちょっとつらい。ワープロならそこまで問題ないけどペンはね。部屋は寒いのは寒いけど、一応部屋ごとに調整できるようになってるので、まぁどうにかなるかも。でも防寒着はあったほうがいいかな。車内設備については食堂車の場所しか教えてもらえないし特に説明資料とかもないので、自力で探します。昼寝してる間に最大かもしれない見所、ミシシッピ川こえてましたよ。
今は松本光弘「グローバル・ジハード」を読んでます。アルカイダをはじめとするいわゆるジハード主義者の心理と行動を分析した本。著者は現役の公安課長で、出た当初はどこかで「こんなこと書いていいのかよ」みたいな評をされてた記憶があるんだけど3章立てのうち2章まで読んだところの感想としては、よく整理されていてとてもわかりやすい上に内容も深く相当の良書だなという感じ。何がいけないのかはまだよくわかりませんよ。第3部がそれらとどう戦っていくか、みたいな話になってくるみたいだからその辺で日本の防諜体制を知られてしまうのでは?とかそういうことなのかもしれないけど。
まぁまぁとにかく、ガクジュツ的なとっつきにくさがない上にちゃんと理屈が通っていて、時々ちゃんとアカデミックなものも吸収して書いてるんだなという部分もあって、これを書いたのが現場の人だってのにひたすら驚きですわ。70年代共産主義者との類似点とか、中心を持たず個々が自立して活動するがゆえに捉えにくい(そして一旦発生してしまったら創始者でもとめることができない)組織とか、もう既に言われてることかもしれないけど、とても面白い。あとネット上では発言者が匿名で本来なら持ってる権威を行使できないから、逆に聖典に書いてある言葉だけが権威を持つようになるとか。参加者全員が知っていて権威を認めるのが聖典だけになっちゃうのね。でそんな風潮とネットのそもそもの特質としてシンプルなメッセージングが好まれるというのとが合わさると原理主義的(原典以外認めない)な方向に向かってしまうみたいな…。
その辺なんてすごい面白いんだけどちょっと気になるのは、じゃあキリスト教ってどうなのってところ。いやキリスト教ってかプロテスタント。基本的にプロテスタントは聖書と人との間に権威の介在を認めないでしょ(カトリックだって自分たちのことを「権威」とはいわないと思うけど)。牧師は聖書理解のための教師であって、(一応)導くものではないはず。だから亜流は基本的にプロテスタントから生まれる…というかカトリックの立場からすればプロテスタントってのが亜流の名前でその中がいくつに別れようが知ったことじゃないんだろうけど、それはいいとしてもつまり、識字率の上昇による原典との直接接触者の増大(=既存の伝統的な解釈の否定につながる)という状況はキリスト教も既に経験していて(カトリックは昔教会以外で私的に聖書を読むのを禁じたって話をきいたことが)、教義的にも結構似てるならば同じような状況があったのかなぁ、ということとそこからイスラムがこれから経験することが推測できないのかな、と思うわけ。
独自の(しばしば過激な)解釈を持つ小集団がいくつも出現して既存の権威に挑戦していく、という図式自体は同じなのでは…。ただ今のイスラムの過激派は不思議なことにあまり自宗教の指導者層の腐敗浄化には関心がないように思えるし(悪の大きさの差の問題かもしれない。自国の悪の原因を遠くのアメリカに背負わせるほうがずっと楽だし)、通常なら孤立するはずの小集団同士がネットを通じて邂逅したりもするしディスカッションを通じて思想自体の交換や共有も行われて容易に地理を超えて横の連帯が広がっているというような違いはあるけれど。
あところで全然本筋とは関係ないけど、カトリックってなんとなく賛美歌を合唱、ってイメージがあって、逆にプロテスタントの音楽って考えると一人でリュートを弾くルターって感じなんだけどこれってやっぱり思想の違いがでてるのかな?
読み終わって、もうひとつだけ。松本氏の結論としては緩やかな連帯としてのテロ組織をたたくためにはネットワークのハブになっている人物を複数同時に叩くのがよい、ということになっているんだけどこれって日本の法制度上可能なのかな(追記:現行法上は不可能って書いてるのはわかってるんだけど、未来において可能になるような解釈の余地があるのか?って書きたかったのね僕)?彼自身が前の部で言及しているようにハブになるような人は「その辺りで有名だけど決して自分で過激な行動にはでない」人種で、つまり具体的な犯罪行為は犯していないことが多いんだと思う。ならば必殺転び公防みたいな裏技はあるとしても、予防検束は不可能なのでは?という疑問が。当然暗殺は不可だろうし。予防検束もそうだし、もしさらうなり殺すなりすることができればその界隈には相当なメッセージにはなるだろうし、効果的であるってのはわかるんだけど…ううむ。
それよりは「長期的な施策であるのでフォーカスしない」と断った上で書いているテロリストの失敗の宣伝とか、そういう方が確実な気がして。いま存在する横の組織?はしっかりした命令系統に基づいていないならば、当然テロの「品質管理」もされていないだろうことが予想されるので、やってる内に自分たちの掲げる思想に合致しない結果を生むこともあるはず。その失敗につけこむことで彼らの唯一の絆である思想を汚す、というのがいい気がするけどなぁ…確かに今既に存在するテロリストへの対処としては迂遠に過ぎるのかもしれないけれど。
…ああ旅行記なのに本の感想文になっちゃった。今五時半くらい。一時間くらい前に起きちゃって、、これを書いたりぼおっとしたりしています。入国してからこれだけ経ってるのに結局時差ぼけ、なおってませんね。これならいっそ帰りまでなおらないでほしいもんだけど、どうでしょ。
NYは、結局一番楽しかったのは管理人さん(つーとイメージ違うけどねぇ。ちびっこだし、相当若く見えます)との夜でした。二日それぞれにね。3年以上日本に帰ってないってことで登戸再開発完了の話(この人元先生…ってのは書いたっけ?で教え子が僕と同じ高校に進学してたり、どうやら結構生活圏は近かった様子)やらそんな日本の話もしたし、彼女がこの先なにをしたいか、みたいな話を聞いてたら意外に共通点があったり、やっぱり俺野村萬斎に似てるらしいとか(顔より声とか振る舞いらしい…いつもは顔って言われるんだけど)。彼女は僕とはまったく違う世界を生きている人だし、そもそもその年で(つーと失礼だけどさ)単身片道切符買ってNYに移住しちゃうなんてすごいじゃない。普通からすれば夢を追ってなんてもう少し現実みなさい!ってことなのかもしれないけど、別にそんなのどうでもいいよね。
なんかさ、一日めなんて夜これといってすることも決まってなかったから下の中華料理屋でチャーハン買ってきて共有スペースで食べてたわけ。で管理人さんは近くのコインランドリーで洗濯したシーツとかをその部屋で「これで時給9ドルは安いわ!」とかぶつくさ言いながらたたんでて、なんとはなしにだらだら話をしててさ。NYにいるのにすごいなんだろう生活感??違うかなぁ…違和感と溶け合った感じが変なバランスでさ。あー日本語難しいわ。日本語っていうより言葉がむずかしい。とにかく、すごい素敵な感覚で。あー楽しかった、って。変な人だけどね。人の話聞かないし。
そうそうもうひとつ。管理人さんと話していて自分の中でまとまったのが次の職の位置づけ。あまり自覚はなかったけど、やっぱアートに行きたいんだわ俺。でも強烈な不満として芸術界のビジネス感覚の不在ってのがあって、それを学んでから行きたいと思ってる。演奏家として生きていけない以上、彼らから搾取することなく、でも出来る限りビジネスとして金を儲けたい。広報は学んだから、次はちゃんとしたマネタイズ。そして、その先にそれらを生かしてアートに行く、ってのがきっと道なんだと思う。わかんないけど。移り変わるかもしれないし。でも、なんかそこに光を見た気がするんです…なぁんてね。いやいや存外まじめだったりするんですけどね。
なんかさ、NY美人と話していてまったく逆の側面からかんじたことなんだけど、僕が想う思想の成就はあくまで自己の内面の問題で、だれかとの関係には拠らないのよね多分。競争の勝利から得られるものじゃない。僕は自己の存在確認を他者との差別化にはおいてない。だからある意味でほかの人(全員とはいわないけどかなりの割合の)とスタート地点も違えば目指す方向も違う。違って当然。なんかそれがクリアになったってのがこの旅で得たものの一部なのかもしれません。なんつー。