個人の魅力vs組織力
2011年10月25日 考え事【今日はのんでません】
昨日またというかなんというか、某バーオーナー2人(あわせて15店舗以上経営つー)と前何回か偶然ランチで行った事ある店の従業員さん+なぜか僕、という…。
最近この社長さん通称ボスに誘われて出ることが多いんだけどだんだんメンバーがカジュアルになっていってる気がします。最初はITとかPR関係の人たち、次は司法書士のわかいねーちゃんs、そして今回飲食ガチガチという…。カジュアルっていうか俺のいる意味がどんどんわからなくなってる、ってことだわ。
その飲食こぼれ話を聞くのは毎回面白いんだけど、今回は2点。両方ちょっとつながってるのかな。
最初のは別にそんな長い話じゃなくて「なぜ自分が現場から上がったか」という話。二人とも元都内では相当に知られたバーテンダーだったと思う。特に僕をかわいがってくれていた人は本当に西東京ではこの人、って感じで知られていたんじゃないかなー。それで若い内(多分二人とも30前半であがってる)になんでその見切りをつけたか、という話で、ボスが言ったのは「俺がカウンターに入れば今でも客単価は上がるけど、ある日俺以外のスタッフが入ってたほうが客数は多いことに気づいたから」。単価を上げるのと数を回すののどっちがいい、というのはないと思うけど、多分この話は「常連を気持ちよくさせられることはできるけど、新しい客がつかない」って事なんじゃないかなと思ったりしたわけ。
その場では別の話題として「個人経営のバーはバーテンダー(=オーナー)の年齢と共に客層があがっていく」という話もあったりして、その辺ともリンクしてるのかなと思ったりしてね。んで、もう一人の社長も「自分が入ればたとえ相手がいちげんさんでも単価を上げられるのは当たり前、今自分が現場にたまに入るのは全体を見てオペレーションの改善なんかをやりたいからで、だから客が多くてそちらをさばく人数がほしい週末にはあえて入らない」みたいな事を言っていて。前半エラい自信やな!って感じだけど、こういう人にとってはわりとそういうもんなのかもなあ…。この人たちは接客を感情的というかファジーなもので考えていなくて、知識とか定石とか、なんかそういうものを持っていればある程度票読みが出来るみたいなものなのかもしれないなあと思ったりして。
で、本題。この二人はいわゆるオーセンティック…古典的というかまあよくイメージされる木の一枚板カウンターの暗い店、という感じのバーの出身で前述のように商品知識も接客の技術も相当にあると言われていた人なんだけど、彼らの店は多分今「オーセンティックなバーの人たち」からは嫌われてるんだよね。
バーっていうのは極論自分で酒屋に行けば手に入るようなものに酒屋の値段の数倍の値段をつけて売ってるわけで、じゃあなんでそこで高いほうに人が行くか、って結局雰囲気とか人とかいうものが原因になる。で、いわゆるオーセンティック族は個人でやっているお店が多くて「~さんのお店」と言われ、その人を好きな人が集まってる。
当然そういうやりかたをしている人たちは人間力勝負だと思ってるから、自分が二人存在できない以上、店を二つ以上増やすという考えにはあまりならない。というか極論、店を増やす=店の看板で客を釣って違う人が入ってたらそれって騙しじゃね?って感覚なんじゃないかな。あるのは例えば弟子が独立したいってんで出資してあげたりしてのれんわけみたいな形にするとかくらい…多分。
でも一方経営者チームは多分根本では店はコンセプトとか雰囲気であって、人はその構成要素だ、って考えなんだと思う。だからしっかりしたコンセプトがあって店が作りこめてそれに似合った人が供給できれば高いレベルの店が作れるし、一人でやるより安定すると。
確かに個人で客つけちゃってやってると体調崩して代打頼もうにもオーナーの~さんがいないカウンターには意味がない、ということは休めないし、年をとっても仕事が変わらない以上給料だってあがらない。服屋とかだってそうだけどいつまでも販売員やってても給料は驚きの爆安なわけで…。
仕組みを中心におくことで、人という一番不安定な部分をなくしていくというのが考え方の基本なんだと思う。そういう考えに自分がスターだった人がなる、というのが面白いなと思って。
僕はバーとしては圧倒的にオーセンティックなバーが大好きなんだけど、考え方は「バーテンダーは若くていいし、年をとっただけの給料は払えない。だからどんどん独立してもらえばいい」という経営者さんたちのほうが理にかなってると思う。本当にオーナーバーテンダーの人たちに出口がない気がするもん…。
そしてさらに面白いというかなんというかなのはボスの店、最近オーセンティック大好きな僕とかその友人とかからすると全然ダメなんだよね。バーテンのレベルが低すぎる…と言っちゃって確かに期待値からすると低すぎるのは確かなんだけど、それには自分が年をとったとか客としてそれなりに長くなってきて舌が肥えてきたとか、そもそもバーでちゃんと接客されたのは西東京最強だったというボスが一番最初だったわけでそこで期待値が固定されちゃってるとかいろんな要素があるんだと思う。思うは思うけど、それでもさびしいし、僕がだめになっているなあと感じている期間は彼が現役を上がって店を増やしまくっていた時期と重なっていたわけで、その拡大路線に対してどうなのかねーーって思うわけ。でも人間としてはやっぱり尊敬するしすげーと思ったりするわけで、その辺のなんていうか…。ううむ。若干眠いからか思考が少しループをはじめた気もする。
経営者チームは若いうちにバーで修行して、そこで磨かれるコミュニケーションスキルを生かして違う業界にいくなりなんなりすればいい、って言うけど、僕は夢かもしれないけど昔ボス本人が言ってたような自分の所にいた従業員が独立する時にネットワークとして囲い込んで、それぞれは個店として経営しつつ仕入れとか効率化できるところは共通化して、ってのが実現すればいいのになーと思ったりするのです。外野が言うほど勿論現実的でも簡単でもないんでしょうけどね。
会社が責任持った上でのトップダウンのコンセプトによる差別化じゃなくて、各店舗が基本的には独立して自店舗の裁量でやりたいことやって、みたいな。特にバーって上に書いたように商品力で売るって業態じゃない(俺の店にしかない酒!ってのを売りにする店は勿論あるけど、そこまで多くない)し、コンセプトがちょっと違ってもそんなに仕入れの相手は変わらないんじゃないかと思うのであんまりガチガチに注文まとめなくても価格交渉力とかいう意味では割と生めるんじゃないかとか、まあ妄想なんでしょうけどーー。
きっと彼ら飲食業が死ぬまで悩むだろう問題の一端に触れましたよー深いよーという話ですかね、要するに。ちなみに今朝は二日酔いで目が真っ赤でした。
昨日またというかなんというか、某バーオーナー2人(あわせて15店舗以上経営つー)と前何回か偶然ランチで行った事ある店の従業員さん+なぜか僕、という…。
最近この社長さん通称ボスに誘われて出ることが多いんだけどだんだんメンバーがカジュアルになっていってる気がします。最初はITとかPR関係の人たち、次は司法書士のわかいねーちゃんs、そして今回飲食ガチガチという…。カジュアルっていうか俺のいる意味がどんどんわからなくなってる、ってことだわ。
その飲食こぼれ話を聞くのは毎回面白いんだけど、今回は2点。両方ちょっとつながってるのかな。
最初のは別にそんな長い話じゃなくて「なぜ自分が現場から上がったか」という話。二人とも元都内では相当に知られたバーテンダーだったと思う。特に僕をかわいがってくれていた人は本当に西東京ではこの人、って感じで知られていたんじゃないかなー。それで若い内(多分二人とも30前半であがってる)になんでその見切りをつけたか、という話で、ボスが言ったのは「俺がカウンターに入れば今でも客単価は上がるけど、ある日俺以外のスタッフが入ってたほうが客数は多いことに気づいたから」。単価を上げるのと数を回すののどっちがいい、というのはないと思うけど、多分この話は「常連を気持ちよくさせられることはできるけど、新しい客がつかない」って事なんじゃないかなと思ったりしたわけ。
その場では別の話題として「個人経営のバーはバーテンダー(=オーナー)の年齢と共に客層があがっていく」という話もあったりして、その辺ともリンクしてるのかなと思ったりしてね。んで、もう一人の社長も「自分が入ればたとえ相手がいちげんさんでも単価を上げられるのは当たり前、今自分が現場にたまに入るのは全体を見てオペレーションの改善なんかをやりたいからで、だから客が多くてそちらをさばく人数がほしい週末にはあえて入らない」みたいな事を言っていて。前半エラい自信やな!って感じだけど、こういう人にとってはわりとそういうもんなのかもなあ…。この人たちは接客を感情的というかファジーなもので考えていなくて、知識とか定石とか、なんかそういうものを持っていればある程度票読みが出来るみたいなものなのかもしれないなあと思ったりして。
で、本題。この二人はいわゆるオーセンティック…古典的というかまあよくイメージされる木の一枚板カウンターの暗い店、という感じのバーの出身で前述のように商品知識も接客の技術も相当にあると言われていた人なんだけど、彼らの店は多分今「オーセンティックなバーの人たち」からは嫌われてるんだよね。
バーっていうのは極論自分で酒屋に行けば手に入るようなものに酒屋の値段の数倍の値段をつけて売ってるわけで、じゃあなんでそこで高いほうに人が行くか、って結局雰囲気とか人とかいうものが原因になる。で、いわゆるオーセンティック族は個人でやっているお店が多くて「~さんのお店」と言われ、その人を好きな人が集まってる。
当然そういうやりかたをしている人たちは人間力勝負だと思ってるから、自分が二人存在できない以上、店を二つ以上増やすという考えにはあまりならない。というか極論、店を増やす=店の看板で客を釣って違う人が入ってたらそれって騙しじゃね?って感覚なんじゃないかな。あるのは例えば弟子が独立したいってんで出資してあげたりしてのれんわけみたいな形にするとかくらい…多分。
でも一方経営者チームは多分根本では店はコンセプトとか雰囲気であって、人はその構成要素だ、って考えなんだと思う。だからしっかりしたコンセプトがあって店が作りこめてそれに似合った人が供給できれば高いレベルの店が作れるし、一人でやるより安定すると。
確かに個人で客つけちゃってやってると体調崩して代打頼もうにもオーナーの~さんがいないカウンターには意味がない、ということは休めないし、年をとっても仕事が変わらない以上給料だってあがらない。服屋とかだってそうだけどいつまでも販売員やってても給料は驚きの爆安なわけで…。
仕組みを中心におくことで、人という一番不安定な部分をなくしていくというのが考え方の基本なんだと思う。そういう考えに自分がスターだった人がなる、というのが面白いなと思って。
僕はバーとしては圧倒的にオーセンティックなバーが大好きなんだけど、考え方は「バーテンダーは若くていいし、年をとっただけの給料は払えない。だからどんどん独立してもらえばいい」という経営者さんたちのほうが理にかなってると思う。本当にオーナーバーテンダーの人たちに出口がない気がするもん…。
そしてさらに面白いというかなんというかなのはボスの店、最近オーセンティック大好きな僕とかその友人とかからすると全然ダメなんだよね。バーテンのレベルが低すぎる…と言っちゃって確かに期待値からすると低すぎるのは確かなんだけど、それには自分が年をとったとか客としてそれなりに長くなってきて舌が肥えてきたとか、そもそもバーでちゃんと接客されたのは西東京最強だったというボスが一番最初だったわけでそこで期待値が固定されちゃってるとかいろんな要素があるんだと思う。思うは思うけど、それでもさびしいし、僕がだめになっているなあと感じている期間は彼が現役を上がって店を増やしまくっていた時期と重なっていたわけで、その拡大路線に対してどうなのかねーーって思うわけ。でも人間としてはやっぱり尊敬するしすげーと思ったりするわけで、その辺のなんていうか…。ううむ。若干眠いからか思考が少しループをはじめた気もする。
経営者チームは若いうちにバーで修行して、そこで磨かれるコミュニケーションスキルを生かして違う業界にいくなりなんなりすればいい、って言うけど、僕は夢かもしれないけど昔ボス本人が言ってたような自分の所にいた従業員が独立する時にネットワークとして囲い込んで、それぞれは個店として経営しつつ仕入れとか効率化できるところは共通化して、ってのが実現すればいいのになーと思ったりするのです。外野が言うほど勿論現実的でも簡単でもないんでしょうけどね。
会社が責任持った上でのトップダウンのコンセプトによる差別化じゃなくて、各店舗が基本的には独立して自店舗の裁量でやりたいことやって、みたいな。特にバーって上に書いたように商品力で売るって業態じゃない(俺の店にしかない酒!ってのを売りにする店は勿論あるけど、そこまで多くない)し、コンセプトがちょっと違ってもそんなに仕入れの相手は変わらないんじゃないかと思うのであんまりガチガチに注文まとめなくても価格交渉力とかいう意味では割と生めるんじゃないかとか、まあ妄想なんでしょうけどーー。
きっと彼ら飲食業が死ぬまで悩むだろう問題の一端に触れましたよー深いよーという話ですかね、要するに。ちなみに今朝は二日酔いで目が真っ赤でした。
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