「虐殺器官」 伊藤計劃 ★★★★★★★★★★★★★★
2010年3月28日 感想文。 僕にとっての名作を書く人はみんな死ぬ…かどうかはわからないけれど、これも亡くなってしまった作家「伊藤計劃(いとうけいかく)」さんの本です。こんなに衝撃を受けたのは
http://42583.diarynote.jp/200802152041460000/
打海文三さん(も亡くなってる)の「裸者」を読んだ時以来。あれが2008年ってことでそんなに時間経ってないしそう考えるとその程度の衝撃か?って気もしてしまうけれどそうではなく、たった2年でこんなにもすばらしい作品にめぐり合えたってもしかして僕結構幸せかな、というのが、ほんと今の気持ちです。だって上の日記にも書いてるけど、ここまでうわって思ったのって裸者の前は多分京極さんの絡新婦の理以来だもの。
ハヤカワだしSFってんでなんかスペースオペラかしらSFとか書いてあるし…と思ってたけど、中身は近未来国際謀略系ハードボイルド(?)って感じ。タイトルがどぎつくてそれが人を遠ざけている気もするけれど、でも実際中身も相当きつい(虐殺という言葉から想像するグロさというよりは話の濃さとかその辺で)。マクナマラって言われて誰かわからないとちょっときついかもね(もちろん実在の人物)。
本当に言語が世界を規定するかはわからないけれど、この話はそんな内容。それ自体のテーマ性と、さらに主題にはされないけれど現われる例えばトレーサビリティ(今の世の中興味を持てば自分が手にしているものがどういったものから出来ているのかすぐに調べる事が出来る…のに興味をもたれないが故にそのトレーサビリティがあんまり生かされていない、みたいな話)の話とか、色々と脇を彩っているものも興味深く、多分すぐに再読するでしょう。残念ながらというかなんというか、マルドゥックスクランブルもかなりよかったけど、相手がこれじゃしょうがないわな。
結末の解釈というか主人公の行動の意図については以下の増田に同意します(大嘘って書いてあるから批判かと思ったらそういうのではなかった)。ここまで自分で言語化はできなかったけど、読んで感じた違和感の正体はこれなんだろうなぁと。しかし冒頭にも書いてあるけど下の文章は本編未読で読んじゃうとつまらなさ半減かも。
http://anond.hatelabo.jp/20090905184450
伊藤計劃『虐殺器官』の“大嘘”について
http://42583.diarynote.jp/200802152041460000/
打海文三さん(も亡くなってる)の「裸者」を読んだ時以来。あれが2008年ってことでそんなに時間経ってないしそう考えるとその程度の衝撃か?って気もしてしまうけれどそうではなく、たった2年でこんなにもすばらしい作品にめぐり合えたってもしかして僕結構幸せかな、というのが、ほんと今の気持ちです。だって上の日記にも書いてるけど、ここまでうわって思ったのって裸者の前は多分京極さんの絡新婦の理以来だもの。
ハヤカワだしSFってんでなんかスペースオペラかしらSFとか書いてあるし…と思ってたけど、中身は近未来国際謀略系ハードボイルド(?)って感じ。タイトルがどぎつくてそれが人を遠ざけている気もするけれど、でも実際中身も相当きつい(虐殺という言葉から想像するグロさというよりは話の濃さとかその辺で)。マクナマラって言われて誰かわからないとちょっときついかもね(もちろん実在の人物)。
本当に言語が世界を規定するかはわからないけれど、この話はそんな内容。それ自体のテーマ性と、さらに主題にはされないけれど現われる例えばトレーサビリティ(今の世の中興味を持てば自分が手にしているものがどういったものから出来ているのかすぐに調べる事が出来る…のに興味をもたれないが故にそのトレーサビリティがあんまり生かされていない、みたいな話)の話とか、色々と脇を彩っているものも興味深く、多分すぐに再読するでしょう。残念ながらというかなんというか、マルドゥックスクランブルもかなりよかったけど、相手がこれじゃしょうがないわな。
結末の解釈というか主人公の行動の意図については以下の増田に同意します(大嘘って書いてあるから批判かと思ったらそういうのではなかった)。ここまで自分で言語化はできなかったけど、読んで感じた違和感の正体はこれなんだろうなぁと。しかし冒頭にも書いてあるけど下の文章は本編未読で読んじゃうとつまらなさ半減かも。
http://anond.hatelabo.jp/20090905184450
伊藤計劃『虐殺器官』の“大嘘”について
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