脚本は26歳 (GOEMON ★★★★☆)
2009年5月2日 感想文。
なによりびっくり。オバマのスピーチライターにはそりゃ勝てないけど同い年か…。 調べてもあまり出てこないところ見るとデビュー作かな?
事前の予想を裏切り、いい映画でした。実は僕五年前のキャシャーンも見ていて(http://42583.diarynote.jp/200404252119410000/)…って五年前の自分のブログが出てくるのがすごいな、まぁそれはいいとして、その時もやっぱり「絵はすごくいいんだけど」だったんですが(しかしこの記事にはそんなこと書いてないな)…。
やはりというかなんというか、このGOEMONも全編異常つうても差し支えないくらいのコントラストと色調いじりが炸裂してます。そして随所に見られる「お約束わかってる感」満載のカット。前作キャシャーンで言うところの食卓とか看護婦とか植物園(だっけ)とかみたいなね。確かに信長の鎧がああでもいいよな、伴天連大好きっ子だったってのは比較的よく語られる話なわけで。
時代考証とかそういったものは一切ありません。きっと監督の脳内ワールド全開なんでしょう(ほめ言葉ね)。まったく史実とは関係ないので「こいつは死なんでしょ」みたいなのは通用しません。死にます。
なによりキャシャーンよりよかったのが、物語として遥かにしっかりしているところ…ってったって正直5年前に見た映画の細かい筋なんて覚えてませんが、それにしたって筋がボロボロだったって記憶はあるくらいひどかったんですよ。絵はきれいなのにやっぱりCMとかPVとか短いの中心にやってる人だから2時間には耐えられないのね、ってのが当時の自分の評価だったわけで。GOEMONでの史実の自由ないじりかたを見ていると、前作は原作あるのが相当息苦しかったのかな、という気もしてきました。
で、いくつか不満。
…の前にきっとこの映画は興行的にはオオコケだと思います。監督次あるの?ってくらい。だって舞台挨拶あった劇場で公開翌日の土曜日のしかも昼開始の回だったのにネタ扱いにしようと思って僕が携帯で写真撮りだすくらいガラガラ。しかも劇場が配慮していい席からちゃんと出すもんだから…要するに中央ちょっと後ろのブロックには結構ぎっしり固まってるけどそれ以外のゾーンには客がゼロなわけですよ、ゼロ。わらっちゃったよ。おかげで前日夜予約だってのにど真ん中の今まで座ったことも無い最高の席に座れたんだけど(その時点でえーって思ったけどさ)。チケット売り場に群がってたのは…グラントリノ見たかったのか?いや気持ちはわかる。GOEMONよりはグラントリノだよなみんな(でもクリントイーストウッドって監督やったの一作も見てないから適当だけど、それにしても渋いというかあまり一般向けのテーマじゃない割にウケるよね)。
で、一番不満だったのがCG関係.。これキャシャーンの感想にも書いてるけど、良くも悪くもこれ、相当デジタルに頼った撮り方とか色の作り方をしている作品なわけ。で、そこにリアリティがないと全てがひらぺったく見えるんですわ。
例えば序盤草原での決闘シーンの草の揺れ方の処理が甘すぎ。規則的過ぎで草の質感ゼロ(これはCG映画の髪の毛でよくある現象なんだけど…でもこんなのライブラリあればそれだけの話のはずで、予算無かったの?普通こういう自然の動きを再現するソフト使ってるでしょ?)だし、所々背景が平面化してる。予算的に無理ならシーンの方を変えるべきじゃないかなと思うわけです。特にどこで決闘してようと話が大きく変わるわけじゃないんだから。
平面ってのは「書き込みに奥行き」がとかってレベルの高い話じゃなくて、背景を手抜きして一枚絵でにしたんじゃないかな?と思える部分があったってこと。当然一枚絵だったら正面から見て自然に作られてるわけで、横から見たらおかしいでしょ?そんな感じの見え方。
もっとひどいのは移動シーン。まぁ馬を人が追いかけてるとすぐ追いつけちゃうとかそういうところは些細なこととして、あってないんですよ、背景の流れ方と歩調が。これは非常にレベルの低いミスだと思います。なんか時々ベルトコンベアの上歩いてるみたいになっちゃってて…要するに合成の仕方がひどいんだと思います。上記草原シーンの最後に追いついてきた仲間のところとか、これって笑うところかなと思うもんね。あと序盤も序盤、どあたまの花火ね。これも現実というか物理法則?無視したひどい書き方。花火くらい普通に撮れよ。
CG周りのクソさに比べれば話にならない小さい話だけど、もうひとつはキャスティング。広末ないわ。あと大沢たかおないわ。広末は元々好きじゃないのでとりあえずおいとくにしろ、大沢たかお。忍者役やらせるにはあまりにも荷が重い。まったく動けてません。歩きとか走りとかそういう基本動作が「動ける人の動き」じゃないから、カメラワークやらスタントやらで誤魔化すだけ逆に浮いて見えるというか…せつない。役はすごくおいしい役なのにねぇ…この映画の中では「絶景」ってのは主人公の台詞じゃないですもん。
…とかずらずら不満を並べつつも、ああそこで敦盛か(信長だけじゃないのがポイント。信長版はなんせ舞ってるのが本職…って正確には歌舞伎じゃないし違うんだけど…だから迫力あるけどね)、とかやっぱりそこは男声合唱だよな、とか、わかってる感満載の映画で、やっぱ楽しいですよ。娯楽映画だから、それでいい気もします。
あ、あとゴリ=佐助(しかし猿飛佐助がこの扱い…うらみでもあるのか)がVersus(北村龍平のね)の小心者の割に結構生き残るヤクザに似てた。終盤特に。
Yahoo!映画の感想をいくつか読んだけど、その中では↓の内容には結構同意できました(僕の評価はこの人ほど低くはないけど)。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id330507/rid406/p1/s0/c5/
事前の予想を裏切り、いい映画でした。実は僕五年前のキャシャーンも見ていて(http://42583.diarynote.jp/200404252119410000/)…って五年前の自分のブログが出てくるのがすごいな、まぁそれはいいとして、その時もやっぱり「絵はすごくいいんだけど」だったんですが(しかしこの記事にはそんなこと書いてないな)…。
やはりというかなんというか、このGOEMONも全編異常つうても差し支えないくらいのコントラストと色調いじりが炸裂してます。そして随所に見られる「お約束わかってる感」満載のカット。前作キャシャーンで言うところの食卓とか看護婦とか植物園(だっけ)とかみたいなね。確かに信長の鎧がああでもいいよな、伴天連大好きっ子だったってのは比較的よく語られる話なわけで。
時代考証とかそういったものは一切ありません。きっと監督の脳内ワールド全開なんでしょう(ほめ言葉ね)。まったく史実とは関係ないので「こいつは死なんでしょ」みたいなのは通用しません。死にます。
なによりキャシャーンよりよかったのが、物語として遥かにしっかりしているところ…ってったって正直5年前に見た映画の細かい筋なんて覚えてませんが、それにしたって筋がボロボロだったって記憶はあるくらいひどかったんですよ。絵はきれいなのにやっぱりCMとかPVとか短いの中心にやってる人だから2時間には耐えられないのね、ってのが当時の自分の評価だったわけで。GOEMONでの史実の自由ないじりかたを見ていると、前作は原作あるのが相当息苦しかったのかな、という気もしてきました。
で、いくつか不満。
…の前にきっとこの映画は興行的にはオオコケだと思います。監督次あるの?ってくらい。だって舞台挨拶あった劇場で公開翌日の土曜日のしかも昼開始の回だったのにネタ扱いにしようと思って僕が携帯で写真撮りだすくらいガラガラ。しかも劇場が配慮していい席からちゃんと出すもんだから…要するに中央ちょっと後ろのブロックには結構ぎっしり固まってるけどそれ以外のゾーンには客がゼロなわけですよ、ゼロ。わらっちゃったよ。おかげで前日夜予約だってのにど真ん中の今まで座ったことも無い最高の席に座れたんだけど(その時点でえーって思ったけどさ)。チケット売り場に群がってたのは…グラントリノ見たかったのか?いや気持ちはわかる。GOEMONよりはグラントリノだよなみんな(でもクリントイーストウッドって監督やったの一作も見てないから適当だけど、それにしても渋いというかあまり一般向けのテーマじゃない割にウケるよね)。
で、一番不満だったのがCG関係.。これキャシャーンの感想にも書いてるけど、良くも悪くもこれ、相当デジタルに頼った撮り方とか色の作り方をしている作品なわけ。で、そこにリアリティがないと全てがひらぺったく見えるんですわ。
例えば序盤草原での決闘シーンの草の揺れ方の処理が甘すぎ。規則的過ぎで草の質感ゼロ(これはCG映画の髪の毛でよくある現象なんだけど…でもこんなのライブラリあればそれだけの話のはずで、予算無かったの?普通こういう自然の動きを再現するソフト使ってるでしょ?)だし、所々背景が平面化してる。予算的に無理ならシーンの方を変えるべきじゃないかなと思うわけです。特にどこで決闘してようと話が大きく変わるわけじゃないんだから。
平面ってのは「書き込みに奥行き」がとかってレベルの高い話じゃなくて、背景を手抜きして一枚絵でにしたんじゃないかな?と思える部分があったってこと。当然一枚絵だったら正面から見て自然に作られてるわけで、横から見たらおかしいでしょ?そんな感じの見え方。
もっとひどいのは移動シーン。まぁ馬を人が追いかけてるとすぐ追いつけちゃうとかそういうところは些細なこととして、あってないんですよ、背景の流れ方と歩調が。これは非常にレベルの低いミスだと思います。なんか時々ベルトコンベアの上歩いてるみたいになっちゃってて…要するに合成の仕方がひどいんだと思います。上記草原シーンの最後に追いついてきた仲間のところとか、これって笑うところかなと思うもんね。あと序盤も序盤、どあたまの花火ね。これも現実というか物理法則?無視したひどい書き方。花火くらい普通に撮れよ。
CG周りのクソさに比べれば話にならない小さい話だけど、もうひとつはキャスティング。広末ないわ。あと大沢たかおないわ。広末は元々好きじゃないのでとりあえずおいとくにしろ、大沢たかお。忍者役やらせるにはあまりにも荷が重い。まったく動けてません。歩きとか走りとかそういう基本動作が「動ける人の動き」じゃないから、カメラワークやらスタントやらで誤魔化すだけ逆に浮いて見えるというか…せつない。役はすごくおいしい役なのにねぇ…この映画の中では「絶景」ってのは主人公の台詞じゃないですもん。
…とかずらずら不満を並べつつも、ああそこで敦盛か(信長だけじゃないのがポイント。信長版はなんせ舞ってるのが本職…って正確には歌舞伎じゃないし違うんだけど…だから迫力あるけどね)、とかやっぱりそこは男声合唱だよな、とか、わかってる感満載の映画で、やっぱ楽しいですよ。娯楽映画だから、それでいい気もします。
あ、あとゴリ=佐助(しかし猿飛佐助がこの扱い…うらみでもあるのか)がVersus(北村龍平のね)の小心者の割に結構生き残るヤクザに似てた。終盤特に。
Yahoo!映画の感想をいくつか読んだけど、その中では↓の内容には結構同意できました(僕の評価はこの人ほど低くはないけど)。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id330507/rid406/p1/s0/c5/
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